船長は船が揺れぬよう船首を波に向けてくれる
しかしすぐにまた横波を受ける
乗船してすぐにスマホを見ていたのがいけなかった
厚着してしまったのがよくなかった
酔い止めを服用しなかったのがいけなかった
そう、不覚にも船酔いしてしまったのだ
それでも、ここぞという場面ではそれを忘れて果敢にシャッターを切っていた
なかなかやるぜ
トラフィックが途絶えると急に我に戻る
自分にはまだまだ笑える余力があった
しかし、隣にいる仲間は終始無言、ギャグも通じない状態・・・
陽が傾くと急に寒くなってきた
そこへ来たのがTGのB777
広角レンズをつけて立ち上がった
船が揺れる
フレームが決まらない
やけくそで最後の一枚を撮った船上カメラマンはその場に座り込んで叫んだ
「もう帰ろ!」
仲間の顔に笑みがこぼれた
RW18エンドの風
