このサイト「航空機がある風景」は、全国の空港で撮影した航空機写真をもとに、撮影場所の選び方、構図の考え方、使用機材や撮影設定などを写真付きで解説する航空写真専門サイトです。
実際の撮影体験をもとに、天候や光の条件、撮影時の工夫や失敗例も交えながら、これから航空機撮影を始めたい方や、表現の幅を広げたい方に向けて実践的な情報を発信しています。
- さんふらわあ

大阪から別府行きのさんふらわあ
三連休初日とあって満席の船内はレストランも長蛇の列
神戸港沖を通過するとき千歳からのスカイマークがやってきた
一応持ってきたという撮影機材の性能を出し切って何とか記録
Nikon Z6Ⅲ NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR
- 厳つい夜景

日中、中海の南側を散策していた
べた凪を期待して夜に再訪したがそう甘くはなかった
長時間露光でそれを誤魔化そうなどとするも邪道
ただ夜にシルエットで映えている不気味な光景がそこにあった
Nikon Z6Ⅲ NIKKOR Z 600mm f/6.3 VR S
日中は中海の南側を歩き回り、静かな水面にわずかな期待を抱いていた。工場の煙は真上に昇り、水面が静まり“べた凪”状態。
しかし夜になって再訪してみると、水面はわずかに揺れ続けていたので長時間露光で誤魔化そうとしたが完全な鏡面にはならない中途半端な結果。
対岸には静かに並ぶシルエットの機体。JASDFの建屋から漏れる強い光が、青白い帯となって水面に落ちていく。
静寂の中にあるはずの空港が、わずかな風と水面の動きによって、生き物のような気配を帯びる。昼間には決して見えない、不気味とも言える光景がそこにはあった。
完全な条件ではなかった夜の表情。改めてトライしたいシーンだった。
- サクラなら

スタアラ塗装機が駐機中に青空が広がり始めた
この樹はサクラだろうか
もしそうならここでも春らしい絵が撮れる
それももう間もなくだ
Nikon Z6Ⅲ NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
車を走らせていると視界の端に入ってきたのが、葉を落とした一本の木だった。冬の名残を残したまま、空へ向かって細い枝を伸ばしている。
この木はサクラだろうか、確信は持てない。しかし、もしそうなら――この場所は、もうすぐ全く違う表情を見せるはずだ。今は無機質に広がる枝のシルエットも、春になれば淡い花びらをまとい、空と機体の間に柔らかな層を生むだろう。
機体を主役に据えながらもあえて右側に木を大きく配置し、青空を背景に枝の線と機体のフォルムを対比させる。冬の空気の中に、まだ訪れていない春の気配を忍ばせる構図だ。
作品の多くは「今」を切り取るが、この一枚は、少し先の時間を見据えている。ここに花が咲いたら、どんな光景になるだろうか。同じ進入路、同じ空、同じ機体でも、枝先に色が乗るだけで全く別の写真になるはずだ。
それも、もう間もなく。冬の終わりと春の始まり、その狭間に立ちながら、次に訪れる瞬間を思い描いた一枚となった。
- 出雲から望む

気温が上がりすぎて厳しいコンディションが続いていた
出雲空港から更に西へ足を伸ばして高台に上る
辛うじて大山が見えていた
次回のための引き出しとして記録しておこう
Nikon Z8 NIKKOR Z 600mm f/6.3 VR S TC2
気温の急上昇で空気は揺れ遠景は滲む。冬の凛とした抜けを期待しても、自然はそう簡単には応えてくれない。そんな厳しいコンディションの中で足を伸ばしたのは、あの山をきちんと見たかったからだ。
出雲空港からさらに西へ。少しでも空気の層を減らすために高台へ上がる。ファインダーの奥に現れたのは、雪をまとった大山。柔らかく光を受けた稜線が、静かにそこに在った。完璧な透明感ではない、わずかな揺らぎも、薄い霞も残っている。それでも「見えている」という事実が、何より嬉しい。
そこへ進入してくるJALのB767。600mmにテレコンを重ね、圧縮された距離の中で、大山と機体を同じ平面に引き寄せる。白い山肌と白い胴体が溶け合い、赤い鶴丸だけが凛と浮かび上がる。その対比が、この一枚の芯になった。
山を背景にしたアプローチは、何度も挑戦しては悔しい思いをしてきた構図だ。空気の揺らぎ、光の角度、機体の高さ。どれか一つでも噛み合わなければ成立しない。次にもっと良い条件が訪れたとき、どこに立ち、どの高さで待つか。そのための引き出しとして残しておきたい。
- げげげロード

米子鬼太郎空港と言われるげげげの空港
この道路には走ると音が出る溝が切ってある
たのしいな♪たのしいな♪
この場所からでも聞こえるのだ
Nikon Z6Ⅲ NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
米子鬼太郎空港と呼ばれるこの場所は、大きな国際空港とは違い生活のすぐ隣に滑走路がある。道路を走る車、整然と並ぶ低木、進入灯の列。その日常の風景の上を、AIR SEOULの機体がゆっくりと降りてくる。
この写真で意識したのは、あえて余白を広く取り、青空と雲をたっぷり入れ、地上の道路や車も画面に残すことで、非日常であるはずの航空機を日常の中へ溶け込ませた。
手前の道路には、走ると音が出る溝が切ってあり、車がが通るたびに独特のリズムが響く。その音は、この撮影場所でもはっきり聞こえる。
一直線に並ぶ進入灯はこの道路のシンボル的存在で、リズミカルに並ぶ植栽に惹かれてここにした。
「たのしいな、たのしいな」と思わず口に出るのは、米子ならではだ。


