しゃがんで構成

撮りたい方角に点在する雑音

電柱や雑木 道路や車もそうだ

それを雪の前ボケで覆ってしまおうとする大雑把な処理

これでも背後の山選びの結果だ

Nikon Z8 NIKKOR Z 600mm f/6.3 VR S

構図を整えるために“位置を変える”ことの大切さを、あらためて実感させられた一枚だ。狙いたい被写体は明確だったが、正面方向には電柱や雑木、道路や車両といった雑音が点在しており、立ったままの視線ではどうしても画面が落ち着かない。空と機体、そして背景の山だけで成立させたいという意図に対して、現実の風景はあまりに情報量が多かった。
 
そこで選んだのが、思い切ってしゃがむという選択だった。視点を一段下げるだけで、手前の雪が前ボケとなり、煩雑だった要素が一気に隠れる。いわば「雪の前ボケで覆ってしまう」という大雑把な処理だが、この環境ではそれが最も合理的だった。結果として、画面下部は白一色に整理され、主役である機体と、背後の山並みが素直に浮かび上がった。
 
この写真では、機体の大きさ以上に、背景との関係性を重視している。山の斜面に残る雪の表情は、細かい粒立ちを持ち、機体の白とは異なる質感を見せてくれる。その差異があるからこそ、白い機体が背景に埋もれず、輪郭を保ったまま存在できている。しゃがんだことで背景の山選びにも自由度が生まれ、この結果につながった。
 
600mmという超望遠は、構図を切り取る一方で、少しの立ち位置の違いが画面に大きく影響する。上下数十センチの変化が、背景の重なりや前景の処理を大きく左右するのだ。この一枚は、ファインダー越しに見える「うるささ」をどう消すか、その場で考え、身体を使って調整した結果でもある。
 
派手なテクニックではないが、しゃがむという行為は、風景を整理するための確かな手段だと感じている。雑音を消し、必要な要素だけを残す。その判断の積み重ねが、最終的な一枚を形作る。この写真は、その過程が素直に反映された結果だと思っている。

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