結晶の輝き

画面左下にキラリと光る結晶がある
構想段階では真っ白な雪原にその輝きを見ていた
撮影の一瞬は影を追うのでパンパン
帰ってきてから想像の結末を確認するのが楽しい
Nikon Z8 NIKKOR Z 20mm f/1.8 S
主役を飛行機だけに置かず、足元の雪にまで視線を広げたことで生まれた一枚。画面左下に、太陽光を受けてキラリと光る雪の結晶がある。構想段階では、真っ白な雪原の中にその小さな輝きを見つけ、「これを画面に残したい」という思いが強くあった。冬の雪景色は一様になりがちだが、よく見れば光を反射する粒子が無数に存在している。その存在感を、飛行機と同じフレームに収めることが、この作品の出発点だった。
しかし撮影の瞬間は想像していたほど静的ではない。機体は頭上を通過し、その影も同じ速度で一瞬で通り過ぎてしまう。構図を整え、雪原の輝きを意識していても、シャッターを切る瞬間はどうしても影と機体の動きに引っ張られ、結果として細部まで完璧にコントロールできたわけではないが、その不確かさこそが、この一枚にリアリティを与えている。
画面全体は寒色に支配され、空と雪原が静かに広がる。その中で、機体の背後から差し込む太陽の光が漏れていることがこの影の形を物語っているはずだ。
20mmという広角レンズは、空間を大きく捉える一方で、足元の情報も捨てない。雪面の質感、微細な凹凸、そして結晶の反射。それらが画面に残ることで、極寒の朝の空気がより具体的に伝わる。
撮影後、帰宅してから画像を確認すると、現場では気づききれなかった雪の輝きや、影の流れが、画面の中で改めて立ち上がってくる。想像していた結果と、実際に写っていたものが微妙に違う。その差を楽しめることも写真の楽しみだ。
「結晶の輝き」は、計画と偶然の間に生まれた一瞬。狙い通りでなくても、足元にあった小さな光が、確かにこの写真を支えている。その構想を持ち帰れたことが、この一枚の何よりの収穫だと思っている。

